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【民泊とは】貸す場合と借りる場合それぞれの利用方法を解説します

[公開日]2017/09/04 [最終更新日]2017/11/14 


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最近よく耳にする「民泊」という言葉。

主にテレビで紹介されるのは、観光地の民家や普通のマンションの一室に、外国人が大きなキャリーケースを持って入っていくシーンではないでしょうか。

ですので、日本でも民泊が広がりつつあるとはいえ、我々日本人で利用経験がある人というのはまだまだ少ないかもしれません。

そのため、宿泊する際の予約や料金の支払い方法、そもそも民泊はどのような施設であるのかなど、分からないことが多いでしょう。

またホテルや旅館ではなく、民泊を利用することにメリットがあるのかどうか疑問に感じる方も多いかもしれません。

そこで、民泊をまだ利用したことがない、よく分からないという方のために、借り方はもちろん、貸し方についてもわかりやすく紹介していきます。

そもそも民泊とは

民泊は英語で「バケーション・レンタル」と言います。

バケーションだけあって、旅行などで留守のときに民家を貸すというのが民泊の代表的なスタイルのひとつです。

その際に、家を貸す人を「ホスト」借りる人を「ゲスト」と言います。

民泊には、ホストと同じ家の別部屋で数日間宿泊する「ホームステイ」や、同じ部屋に寝泊まりする「同棲」のようなスタイル、またゲストが来るときはホストが家を空けるなどさまざまあります。

日本でも昔は、親切心から見ず知らずの旅人を家に泊めることがありました。

しかし、一定の料金を受け取って、継続的に他人を宿泊させるという習慣はなかったといえます。

日本には他に、ホームステイと同じで学生などが長期間住む「下宿」がありますが、この下宿も決して旅行者向けではありません。

また、漁師や農家などが本業の忙しくない時期に、一般民家で簡易の宿泊施設として営む「民宿」も、旅館業法の許可を得た営利活動ですので民泊とは異なります。

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民泊の魅力とメリット

では、民泊の魅力やメリットは何でしょうか?

いくつかを挙げてみましょう。

人との交流

ホストやその家族と同じ家に宿泊するタイプでは、ホームステイをしているかのような交流が楽しめます。

また、寮のような「ドミトリータイプ」では、そこに集まる多くの国の人々と交流ができます。

一人旅でも多くの出会いがあるので、楽しい思い出をたくさん作ることができるでしょう。

これはホテルのような閉ざされた空間に泊まるだけでは決して得られない、とても貴重な経験となるはずです。

いろいろな体験

民泊の中にはただ部屋を貸すというだけでなく、ホストがゲストを楽しませる面白い体験のできるものがあります。

またそれを売りにしているところも多いです。

たとえば日本であれば、日本の伝統文化である茶道や陶芸、地域の工芸品づくりから、農家の仕事を手伝ったり、大自然のなかでアドベンチャーに挑むなど、さまざまな体験ができます。

これらの体験を通して旅の思い出を増やすだけでなく、作ったものをお土産として持ち帰れるなど嬉しいことが盛りだくさんです。

めずらしい施設に泊まれる

民泊の中にはホテルや旅館では決して泊まれないような施設があります。

ほんの一例ですが、テレビに出てくるようなプール付きのセレブな豪邸、ヨーロッパの貴族が住むようなお城、日本の伝統的な古民家、家畜も一緒に暮らす広い農場などです。

最近ではSNSに映える写真が撮れる宿泊先としても人気がありますし、ホテルとは違う施設で泊まる旅は一生の思い出となるでしょう。

貸す場合の利用方法

では、民泊を利用するにはどうすればいいのでしょうか。

まずは、貸す側であるホストの利用方法を紹介します。

民泊に活用する物件は「すでに所有または借りている」として、営業開始までの流れを見ていきましょう。

1.インテリア・家具・備品の準備

消耗品以外は特に新しいものを用意しなくても始められます。

しかし宿泊者の評価、レビューによってはその後の営業に大きく影響してしまいます。

ですから、量販店にあるような手ごろな値段のものでも、清潔感があって壊れにくく、センスの良いものを選びましょう

また宿泊サイトに掲載する写真が目を引くものであれば、その分宿泊客も付きやすくなります。

宿泊客を迎えるために最低限必要なものは以下の通りです。
必ずチェックしておきましょう。

キッチンまわり 冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、電気ケトル、調理器具、食器類
リビング ベッド、ソファー、エアコン、テレビ
水回りなど 洗濯機、乾燥機、アイロン、ヘアドライヤー
消耗品 トイレットペーパー、ティッシュ、タオル、シーツ

2.Wi-Fi

私たちが海外に行ったときに困るものの一つがWi-Fiです。

ということは、日本に来る旅行者も同じなわけです。

ところが日本では、無料で使えるWi-Fiスポットがまだ広くは普及していません。

そのため宿泊先でWi-Fiが使えるかどうかが大きなポイントになります。

一般的な光回線であれば通信速度は十分ですので、まだWi-Fi環境が整っていない場合は早めに導入しましょう。

3.スマートロック

ホストが物件に住んでいない場合は、鍵の受け渡しが必要です。

しかし、遠く離れたところに住んでいるケースもあるでしょう。

代行会社に頼んだとしても、宿泊者にとって鍵の受け渡しというのは非常に手間となります。

そんなときに役立つのが「スマートロック」です。

スマートロックとは、ドアにスマートロックデバイスを取り付け、スマートフォンで鍵の代わりとなる暗号を認証し、解錠・施錠するしくみのものです。

そのため、高いセキュリティと利便性を兼ね備えた新しい技術として最近普及し始めています。

4.写真撮影、パンフレットの作成

インテリアや備品の準備でも先述したとおり、宿泊サイトに掲載する写真は稼働率に直結するため非常に重要です。

なので、自分でうまく撮れない場合は、プロのカメラマンによる写真撮影代行サービスを活用するのも一つの方法です。

パンフレットの作成

・アクセスガイド

民泊はホテルなどと違って、建物に大きな看板や表示がありません。

住宅地の中などであれば、立地的にも目印になるものが少なく場所が分かりにくいでしょう。

また宿泊客のゲストの方が、格安航空で夜遅い時間に到着するケースもあります。

このためアクセスガイドには、宿泊客が自分一人でもスムーズに施設に到着できるよう、迷わないような分かりやすい案内が必要です。


・ハウスマニュアル

ハウスマニュアルには、部屋内の設備や電化製品の使用方法、および火災やガス漏れ、水漏れ事故にならないような注意点を明記します。

また、生活のルールとして、近隣とのトラブルを防ぐためにも、特に騒音やゴミだしについては分かりやすく説明します。

これらのパンフレットは、日本語、英語、中国語などの最低限3か国語の表記は必要となります。

場合によってはその他の言語も必要になりますから、作成代行会社を活用するなどして準備しましょう。

5.民泊サイトへの登録

物件のパンフレットや写真の準備が終われば、次のステップは集客になります。

代表的な民泊サイトである「Airbnb」などに、ホスト情報や物件情報の登録をしていきましょう。
具体的な手順はサイト上の説明を読みながら進めていけば簡単にできます。

より多くの人に自分の物件を見てもらうには、どうすれば良いのでしょうか。

それは、ゲストの目に留まり宿泊してみたいと思われるような「リスティングページ」を作ることです。

ゲストは物件情報をこのリスティングページで参照します。

タイトルにアピールポイントを入れて明確に表示し、魅力的な写真を使って良いイメージを与えるだけでなく、周辺施設や観光スポットを具体的かつ分かりやすく説明することに留意しましょう。

しかし、先述した「Airbnb」などは、非常に多くの物件が登録されているので、競合が常に多い状態です。

そのため、さらに物件稼働率を上げる対策として、複数の民泊サイトに登録して目に留まる回数を増やすと良いでしょう。

6.代行会社の活用

民泊運営を自分で行う場合、主な業務は、民泊サイトへの登録やゲストへの対応、清掃などです。

ただこれらは、全てまたは一部を代行会社に委託することができます。

委託先としては民泊清掃代行会社民泊運用代行会社があります。

民泊運営はしたい、でも時間がとれないしわずらわしい場合は代行会社を活用しましょう。

ただし、収益性が下がることは覚悟しなければなりません。

借りる場合の利用方法

続いて借りる場合、ゲストとしての民泊の利用方法を紹介します。

「Airbnb」を例にして、説明していきましょう。

1.登録から物件の検索

「Airbnb」を利用して借りる場合も、まずは登録が必要です。

登録を終えたら、宿泊地と滞在期間を入力して該当物件を検索します。

週末などの割り増し料金もあるので、日付はもちろんのこと、なるべく細かな条件を入力して検索していきましょう。

部屋のタイプは3種類あり、プライベートを重視するか、また積極的に人との交流をしたいかによって、自分にあった部屋のタイプを選びます。

部屋のタイプ 概要
シェアルームタイプ ホストや他のゲストと共同で利用する
個室タイプ 家の一部屋を貸し出す
貸切タイプ 一軒家やマンションの一住戸に滞在する

次に、価格や場所、部屋の写真、レビューをもとに宿泊先を決めていきます。

この時に注意しておきたいことはキャンセルポリシーです。

キャンセルポリシーとは予約後のキャンセルにどの程度の制約を受けるのかを表示したものです。

キャンセルで返金される金額が段階によって変わり、Airbnbでは「柔軟」「普通」「厳格」の3段階で表示されています。

期限内に解約すれば全額返金される「柔軟」に対し、「厳格」はチェックイン1週間前までに解約で50%返金と、キャンセルに対してより厳しいものとなっています。

招待にかぎりますが、さらに厳しい「かなり厳格」もあり、こちらはチェックイン30日前までに解約で50%返金となっています。

ゲストが過去1年間にキャンセルした予約件数は、予約リクエストを送る際にホストに表示されるので、頻繁にキャンセルをしていれば悪い印象を与えることになるので注意してください。

ちなみに予約リクエストにつきましては後述します。

2.希望の宿泊先への予約

部屋が決まれば、次はいよいよ予約です。

予約をするには、まずホストに「予約リクエスト」を送ります

このリクエストに対してホストが承認すれば予約が確定します。

リクエスト時にホストにメッセージを添えて送ると、宿泊する前から好印象を持ってもらえるでしょう。

予約時の注意点

  • ホテルなどとは違って、予約を受け入れる準備が整っていない場合は断られることがある
  • 曜日や人数によって追加料金が発生する場合がある
  • 支払いはクレジットカードとなり、利用時の現地決済はできない
  • 「保証金」は利用時に何か破損したときなどに請求される金額の上限ですが、事前の支払いは必要ない

3.チェックイン、チェックアウト

ホストから指示された方法で必ずチェックインします。

もっとも大事なのは鍵の受け渡し方法です。

スマートロックでない場合には、いつ、どこで、誰から受け取るのかを、きちんと理解し確認しておきましょう。

チェックアウト後はレビューを書きます。

民泊サービスの質が上げるためにも、利用者の正直な感想と評価はホストに伝えましょう。

宿泊料金の目安

2014年ごろの民泊経営ブームの際は、個室で3,000円が目安でした。

それは「民宿」の素泊まり料金が1泊3,000円であったためです。

現在ではこの水準よりもさらに安くなっており、個室の場合でも1泊2,000円程度です。

これは工夫を凝らした物件が増え、競争が激しくなったからといえます。

「貸切タイプ」の場合でも、1泊4名で8,000円程度が相場です。

これも以前は1泊4名で10,000円程度でしたが、やはり競争によって2割程度下がっています。

そしてこの相場は、地域や施設、設備による差はあまり大きくなく、駅から近くてWi-Fiがついていても1人あたりは同じ2,000円程度となっています。

都会でも金額差がないのは、物件数が多く競争が激しくなっている点、またホスト側は物件の稼働アップを優先させるため金額を低く抑えているからでしょう。

宿泊人数を増やした場合の追加料金の目安

個室の場合 1名につき1,500円上乗せ
ワンルームマンションの貸切タイプ
(2名泊が基準の場合が多い)
1名につき1,500円~2,000円上乗せ
ファミリータイプ
(4名を基準)
1名につき2,000円~3,000円上乗せ

その他の料金について

  • 週末利用の場合は料金が2割〜5割増し
  • 長期利用割引として、1週間であれば5泊~6泊分の料金で泊まれる設定
  • 「保証金」については10,000円~20,000円で設定されているのが一般的
  • ホテルとは違い、民泊特有の料金として清掃費があり、宿泊日数に関係なく1回の利用ごとに金額が設定される

まとめ

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海外では民泊が広く普及しており、ホテルとは違った目的の宿泊スタイルとして定着しています。

日本では民泊新法の施行が2018年6月といわれ、今後の普及が期待されているところです。

民泊は先述したゲスト側のメリットだけでなく、ホスト側にも多くあります。

たとえば、なかなか借主が見つからない空いている部屋を貸すことで、すぐに収入を得られます。

また旅行者と交流を図れるので、それが外国からの旅行者であれば、自国以外の文化に触れ言葉を覚えるなどの機会にもなるでしょう。

世界中に友達ができたり、長期滞在や繰り返し利用してもらった時には、家族同然の付き合いになるかもしれません。

まさに、自宅に居ながらにして世界が広がるのです。

民泊は「Airbnb」などの宿泊サイトによって、貸したい人と泊まりたい人が世界的な規模で結びつくようになりました。

インターネットを介して自分の家を世界に向けてオープンにし、外国からの旅行者を募集するという時代の流れに日本が取り残されていいのでしょうか。

そのためには、まずは我々日本人のマインドをオープンにすることが必要です。

民泊のことをよく理解していないがために抱く漠然とした不信感を少しでも解消し、もっとよく知りたいと興味を持つことこそがその第一歩となるでしょう。

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