不動産業者が紹介するオススメ物件は優良物件? プロが教える物件選びの注意点
[公開日]2017/02/14 [最終更新日]2017/09/25 賃貸物件,物件探し
賃貸物件探しで不動産業者を訪問すると、オススメ物件というものを紹介してくれます。
これは確かに優良な物件です。
そのまま契約しても、必ず失敗につながるわけではありません。
しかし、業者にとってメリットが大きいからオススメしているのも事実です。
重要なことは、なぜオススメなのかをきちんと踏まえ、しっかり話を聞くことです。
そこで、自分の希望する物件を探すためのコツについて紹介したいと思います。
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不動産業者からオススメ物件の紹介を受けるときの注意点は
自分の希望する条件を受け入れてもらえない場合は要注意
不動産業者がオススメ物件を紹介するときに、よくこのようなやりとりがあります。
借主「1LDKで、家賃は○○万円くらい、駅から10分以内で、新しくて、南向きで日当たりがいい物件を希望しているんですが。」
業者「いくつかありますよ。まずは駅から15分と少し遠いんですけど~。そしてこちらは少し古くなりますが~。」
借主「そうですか。それもいいですが、やはり駅から10分以内で、新しい物件がいいんですよね。」
業者「オススメがありますよ。駅から近くて新しい物件が。西向きっていうのがひとつだけ問題なんですが。ここは私の話を聞いてください。お客様がご希望の南向きよりも、実際は西向きのほうが使いやすいんですよ~。」
といったように、借主の希望条件に一致しない物件をオススメする場合は、条件そのものを変えさせようとしています。
「そこはあまり気にしなくてもいい」「むしろこういう点を重視するべきだ」と、借主のこだわりポイントを業者が説得し始めたら注意が必要です。
他の物件の方がいいと、自分が選んだものを否定する場合
紹介を受けた中から、自分の希望に近い物件を選択した場合でも、他へ誘導しようとする場合は特に注意が必要です。
これは自社の都合を押し付けてくる業者であるため、大切な自分の住まいを紹介してもらう相手としてはふさわしくないと言えます。
不動産業者がオススメ物件を紹介する本当の理由は
仲介手数料と広告宣伝費が多く入るから
不動産業者は、家主と直接に媒介契約を結んでいる元付物件を多く持つところと、少ないあるいはまったく持たない客付中心のところにわけられます。
業者が得る収入は、主に仲介手数料です。
法律では家賃の一か月相当分と定められています。
ただし、元付ではなく他が客付けした場合は、家主と借主の間に2社の業者が入るため、仲介手数料は折半となります。
このほかに、家主から契約時に広告宣伝費を得る場合がありますが、これも同様であれば折半となるのが一般的です。
従って不動産業者は、折半にならないように、まずは手数料と宣伝費を合わせて家賃2か月相当分の収入を得ることができる物件をすすめてくるわけです。
家主からの信頼を失わないように、空室を早く埋めたいから
不動産業者は元付の管理物件を多く持つことが、安定的な収益確保につながります。
契約時の仲介手数料だけでなく、契約更新料、家賃収納や退去時の手数料など、賃貸管理業務を任されることによって、一つの物件から継続的な収入が見込めます。
元付物件は、空室をすぐに埋めて稼働を高めていかないと、家主からの評価が下がってしまいます。
こうなると、賃貸管理業務を他の業者に委託される事態もあり得ます。
そのため、重要な家主の物件は、空室にならないようにオススメとして紹介するのです。
不動産業者の言葉に流されずに自分の希望する物件を探すコツは
1.より多くの業者に足を運び物件を紹介してもらう
借主側としては、紹介された一つのオススメ物件で話を進めることは避けたいところです。
面倒でも不動産業者を増やし、選択肢を広げなければなりません。
そのためには、元付物件を全く持たない業者から多数紹介してもらうと良いでしょう。
なぜなら収入が折半になる前提で営業しているので、より借主サイドに立ってもらえるからです。
また元付が多いところであっても、同様に複数社から紹介を受けることが大切です。
2.自分の希望する条件を優先順位をつけながらリストアップする
自分に合う物件を絞り込んでいくためには、まず重視するポイントを優先順位をつけながら書き出していくことです。
このように整理しておけば、業者の営業トークに惑わされにくくなりますし、希望条件もより明確になるでしょう。
3.最初にすべての希望条件を説明し、それに対する反応をみる
物件を紹介してもらう時には、まず先ほどリストアップした希望条件をすべてはっきりと伝えます。
業者の方が「気にしなくていい」とか「ほかに重要なところはココ」などと言ってくる場合もあるでしょうが、その時も冷静な判断をしましょう。
自分の希望を見直した方がいいかもしれませんし、場合によってはその業者自体を選択肢から外すこともできます。
まとめ
賃貸物件を探すときに得ている情報は、全て業者側から提供されたものです。
その中から自分の希望する物件を選択し契約するためには、一社だけではなく複数の業者から情報を得て、選択肢を増やすことが重要になります。
そしてさらに大切なことは、それらの情報を絞り込めるように、希望条件を列挙し優先順位をつけて整理しておくことです。
そうすることで、業者側の都合ではなく、自分の基準と目でも判断できるでしょう。
不動産業者の多くのオススメ物件は、掘り出し物であり優良物件です。
しかし、その中でも業者の営業トークや情報に惑わされることなく、皆さんに合った最優良物件を探していきましょう。
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