引っ越し業者への心付けは必要なのか?渡すタイミングと相場について解説!
[公開日]2018/12/04
昔は引っ越しはめでたいお祝い事と考えられており、心付けといわれる少額のお金を作業員に配っていました。
家の新築で柱が組みあがった段階で、近所の人々にお菓子やお餅を配りますが、このような日本の伝統行事や祭事と、同じような習慣ともいえます。
現在では、心付けを配る人は少なくなってきたようですが、渡すべきかどうか悩んでしまうでしょう。
そして、渡す場合にはいくらを、どうやって渡せばよいのでしょうか。
ここでは、現在の引っ越しにおける心付けについて、詳しく紹介します。
引っ越し大手3社ホームページでの心付けに関する記載
アート引越センター
Q.引っ越しスタッフの方に、謝礼や食事の用意をした方がよいのでしょうか?
A.当社引っ越し作業スタッフへの心遣いは必要ございません。
サカイ引越センター
Q.引っ越しスタッフの方に、心付けや食事を用意した方がいいのですか?
A.当社のスタッフにはそのような心遣いはご不要です。
日本通運
Q.作業スタッフの方に、心づけや食事の用意をした方がよいですか?
A.すべてお断りしていますので、お気遣いいただかないようお願いします。
上記3社ともに、明確に受け取りを拒否している書き方です。
最近では社内規定で作業員に対して、受け取ってはいけないと定めているところも多くあります。
昔は慣習的に行われていましたが、現在は、引っ越し料金のサービス料に含まれているという考え方が一般的で、それは会社の収入になるべきものという扱いなのです。
心付けは渡すべきか?
結論から言うと、現在では「渡さなくてよい」ものです。
前述のとおり、引っ越し会社が受け取りを拒むことが多いためです。
しかしながら、現在でも渡している人もいれば、受け取る作業員もいます。
最近の調査でも約半数が「何も渡さない」、1/4が「お金で渡した」、残りの1/4が「品物で渡した」との結果が出ています。
これを見ると、どちらにするべきか迷ってしまいますが、もし感謝の気持ちを表したくて渡したい方は用意すればよいでしょう。
暑い夏や寒い冬の引っ越し、またエレベーターのない上階への引っ越しなど、作業が大変なことを労い、お礼をしたい場合もあります。
また、家族構成での違いもあります。単身者の引っ越しは、荷物が少なく、時間的にも短いため、何か渡そうという方は少ないでしょう。
一方で、家族の引っ越しは、作業時間も丸一日だったり、荷物も多いため、労いの意味で渡してもよいでしょう。
ただし、渡そうとしても受け取りを拒まれることがあるので、その点は承知の上で行う必要があります。
心付けを渡すタイミングと相場
作業員のやる気が増すという点からも、心付けを渡すタイミングは作業の前が良いでしょう。
お金はポチ袋などに入れて、「今日はよろしくお願いします。お茶代にしてください」など、挨拶をしながら、リーダーにまとめてではなく、作業員のひとりひとりに渡しましょう。
作業員の士気を高めるだけでなく、コミュニケーションが取りやすくなり、引っ越し作業に関する細かな指示がしやすいというメリットもあるため、全員に挨拶することが大切です。
金額は多すぎると良くありません。一般的には作業員ひとりに1,000円が相場です。
この程度の金額が渡す方も、受け取る方もちょうど良いといえるでしょう。
お金以外に渡せるもの
お金だと受け取ってもらえない場合が多くなります。
そんな時には、飲み物や食べ物の差し入れをするのもひとつの方法です。
ジュースやお茶、コーヒーなどをペットボトルで渡すと、後で飲むこともできます。
「休憩時間にどうぞ」と、最初に飲み物と一緒にお菓子を渡すと、後で手軽に食べることができます。
また、荷物をトラックに積み込んだタイミングでお弁当を差し入れすれば、移動の途中で食べることも可能です。
当日は忙しいので、買ってきたお弁当でよいでしょう。
まとめ
心付けについては、現在では基本的に必要ありません。
引っ越し業者側が明確に、「不要または受け取らない」と表明しているからです。
しかし、引っ越しを頼む側にとっては、大切な家財を運搬するだけでなく、新しい生活を気持ちよくスタートする一大イベントです。
その担い手である作業員に、「お願いします」という気持ちをこめて、心付けを渡したいという気持ちは当然なことです。
受け取ってもらえない可能性もありますが渡すかどうかは、引っ越しする方それぞれの判断によります。
無難な選択としては、飲み物や食べ物を渡すのがよいでしょう。
お金ではなくてもきちんと言葉を添えることで、気持ちは十分に伝わり、思い出に残る良い引っ越しになるでしょう。