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最近のペット可物件事情!一緒に安心して住める物件はあるのか

[公開日]2017/07/03 [最終更新日]2017/09/25 ,,


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職場や学校でのストレスや孤独感を、ペットとのふれあいによって癒されている方も多いことでしょう。

また今は飼えなくても、いずれはペットと暮らしたいと望んでいる方も多いはずです。

共同住宅の多くは、基本的にペット禁止で自由に飼えません。
そのため、中には隠れて飼ってしまい、トラブルに発展する場合もあります。

しかし最近は、物件の収益性を上げる目的から少しずつ『ペット可』の物件が広がりつつあり、以前よりは多く見られるようになりました。

そこで、『ペット可』物件の現状と、最新の『ペット共生型賃貸』について、その特徴や機能を紹介します。

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ペットを飼いたいのに飼えない

2010年の内閣府世論調査によると、ペット愛好率が72.5%に対し、ペット飼育率は34.3%でした。

過去の推移を見ると、ペット愛好率は1979年から2010年にかけて16ポイント以上も高くなっているのに対して、ペット飼育率はほぼ横ばいのままです。

ペットが好きな(ペットを飼いたい)方が増えてきているのに、実際には飼っていない方が多いということが分かります。

また住居形態で分別すると、一戸建てのペット愛好率は72.1%、ペット飼育率が40.1%なのに対し、共同住宅の愛好率は73.6%、飼育率は19.3%です。

どちらもペット愛好率はほぼ同じにもかかわらず、共同住宅に住む方のペット飼育率は一戸建ての半分以下となっています。

このことから、共同住宅の多くはペット飼育に適した環境が整っていないため、そこに住む方はペットを飼いたくても飼えないケースが多いと言えるでしょう。

ペット可物件にもいろいろあります

ペット可

物件全体の1割程度が、ペットの飼育が許可されている『ペット可』物件です。

全ての動物が許されているわけではなく、申し込み時に種類、大きさ、頭数、予防接種歴などを申請する必要があります

そのため、『ペット可』でも断られる場合があります。

またペットを飼っていない方も住んでいるので、鳴き声や抜け毛、共用部分でのすれ違いなどには注意が必要です。

ただし、ペットを飼って良い物件だということはすべての借主が知っているため、飼育者にある程度の理解は示してもらえます。

ペット相談可

物件全体としては『ペット可』ではないものの、貸主が個別で相談すればペット飼育が許可される場合がある物件です。

この『ペット相談可』物件も全体の1割程度です。

貸主は、動物の種類や他の居住者からの苦情などを予想し、問題がなさそうであれば許可します。

しかし『ペット可』物件とは違い、他の部屋には動物嫌いの方が住んでいる場合があります。

そのため、『ペット可』物件以上に他の住民への配慮が必要です。

苦情やトラブルが発生する可能性は高くなるので、飼育にあたっては何らかの条件をつけられる場合があるでしょう。

ペット共生型賃貸

ペットと共に暮らすことが前提の物件で、『ペット可』物件よりも一歩進んでいます。

かぎられた不動産会社や専門会社が企画・開発しているため、物件数としてはまだ少数です。

物件にはさまざまなペット向けの設備や機能がついており、人とペットがより豊かに暮らせるよう工夫されています。

このほかワクチン接種や予防接種をすすめられるなど、多種多様な動物と安心して住めるような環境整備が進んでいる物件なのです。

入居にあたってはペット審査があり、性格や基本的なしつけができているかによって物件に適しているかを判断されます。

ペットを飼わないという方も入居できますが、ペット嫌いの方は断られます。

ペット共生型賃貸の充実した設備(共用設備)

1.ドッグラン

広い敷地のある物件には、リードなしで愛犬を走らせることができるドックランがついているところがあります。

他の犬や飼い主とも交流が進むでしょう。

雨の日に威力を発揮する屋根付きや、敷地の狭い物件だと屋上にドッグランを備えた物件もあります。

2.足洗い場

建物内を汚さないよう外でペットの足を洗うことができます。

この洗い場により、散歩で足が汚れたペットを部屋まで抱きかかえていく必要がなくなり、飼い主の負担を軽減します。

3.汚物処理水洗

散歩中のペットの汚物を部屋に入る前に処理できます。

汚物を部屋まで持ち帰る必要がないので、他の住民に対しても迷惑がかかりません。

4.ペットボタン
エレベーターのドアが開いて急にペット同士がはちあわせて興奮しないよう、このボタンを押してペットが乗っていることをあらかじめ知らせるのです。

5.グルーミングルーム

部屋でブラッシングやシャンプーをすると毛が飛ぶので、周囲の住戸にも影響してしまいますが、専用の施設があればその心配もいりません。

ペット共生型賃貸の充実した設備(専用設備)

共用設備だけでなく、部屋内の専用設備も充実しています。

防音サッシ 防音性能に優れたサッシを設置し、ペットの鳴き声が他の部屋に漏れるのを防ぐだけでなく、逆に他の部屋からの鳴き声も防ぎます。
ペットトイレ置き場 ペットトイレの設置場所は飼い主にとって悩みどころのひとつ。

洗面化粧台の下をペットトイレの置き場として利用できるので、掃除後の手洗いもスムーズとなります。

脱臭機を置くためのコンセントがついているところもあります。

ペットスペース お気に入りのクッションやぬいぐるみを置けば、ペットが安心できる居場所となります。

上部には棚もあり、ペット用品の収納場所などに最適です。

イオン発生器 ペットの臭いは自分よりも他のペットのほうが気になるものです。

ペットスペースのすぐ近くに置くことで、周りに迷惑をかけないようにペットの臭いを脱臭します。

モールディング 壁紙が下半分だけ交換できるように工夫されています。

インテリア的にワンポイントとなっているだけでなく、ペットがつめ立てでキズをつけても壁紙全体を変える必要がありません。

ペットくぐり戸 ペットが出入りするためにリビングのドアを開けておくと冷暖房が効かなくなります。

そのため、ドアにはペット用の小さな戸がついています。

バルコニー 落下や隣の住戸へ出入りしてしまうことを防ぐために、一般の物件よりも手摺や隔板の隙間を狭くしています。
玄関フェンス取付下地 ドアを開けたときのペットの飛び出しを防ぐだけでなく、来客が怖がらないように、フェンスを取り付けるための下地が設置されています。

まとめ

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このような設備の整った『ペット共生型賃貸』は、ペット愛好家にとって理想的な住環境と言えるでしょう。

また、ペットを飼っていない人にとっても、ペットが身近にいても気持ちよく暮らせるように配慮されています。

まだ物件数自体少ないですが、共同住宅でのペット飼育環境の遅れに対して、人間が動物に癒され、動物が人間に守られて暮らす、今後目指すべき新しい居住形態を示しています。

このレベルまで整えるのは難しく思えますが、ドッグラン以外は一般物件にポイント的に付加していけば可能なので、設備投資としては著しく高額になるものではありません。

なかには既存物件の改良ポイントとして活かせる要素もあるので、貸主が部分的に取り入れていくことも可能です。

先述しましたが、ペット愛好率は7割を超えています。

賃貸に住む多くの方は、このようなペット共生賃貸物件がスタンダードとなる日を待ち望んでいることでしょう。

少子高齢化を背景に、空き家は増えていきます。

貸主は賃貸物件の付加価値を高め、ペット愛好家をターゲットに借主を獲得しようとする動きが、今後より激しさを増すかもしれません。

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