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高齢者賃貸住宅の入居条件と費用の目安、サービスや食費はいくら掛かるの?

[公開日]2017/08/07 [最終更新日]2017/09/25 ,,


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高齢者の居住施設には介護などのさまざまなサービスがついており、一般の賃貸住宅とは設備や職員の体制がまったく異なります。

なぜなら高齢者を対象とするため、施設内での事故や体調の急変など、不測の事態への対応も求められるからです。

それだけでなくレクリエーションの企画など、一般の賃貸住宅にはないコストも掛かります。

では、高齢者向けの賃貸住宅で負担する費用というのはいくら掛かるのでしょうか。

また入居するためにはどのような条件があるのでしょうか。

そこで、主に民間の事業者が展開する賃貸施設、「サービス付き高齢者向け住宅」の入居条件や費用面の目安に焦点を当てて紹介します。

入居にかかる月額費用項目

賃料 賃貸借契約の債権債務で、一般の物件と同じように居室と共用部分の利用料です。
管理費 建物・設備の維持管理費として、共用部分の清掃費や水道光熱費、エレベーター保守点検費、他設備点検費、警備費などが含まれます。

なお、居室部分での電気・水道・ガスの使用量は別途個別負担となります。

食費 希望者に食事の提供を行い、その回数に応じて請求される場合が多くなっています。
サービス費 緊急対応、安否確認、生活相談、生活サポートなど、介護以外のサービスを提供するスタッフの人件費に相当する費用が掛かります。

管理費に含まれている場合もあります。

入居にかかる一時費用項目

一般的には賃貸借契約を交わすため、以下の費用が必要となります。

  • 通常の賃貸物件と同様に敷金や仲介手数料
  • 火災保険料
  • 保証委託料
  • 鍵交換費用ほか

敷金は賃料の1~3ヶ月分とやや高めの設定になっています。(通常物件の相場は賃料1~2ヶ月)

また一般の賃貸と同様、退去時には原状回復費などの債務を差し引いた残金が返還されます。

ちなみに有料老人ホームの場合は、多額の入居金が必要となるケースがあります。

これには償却期間がそれぞれ定められており、その期間以上に入居した場合には返金はありません。

なかには入居金が数千万円の高額な場合もあり、この場合の償却分は賃料に充当されていきます。

さらに、手厚い生活サービス費に対する介護上乗せ金が別途掛かってくる場合もあります。

このことから、サービス付き高齢者向け住宅の一時費用は、有料老人ホームと比べれば安く、一般の賃貸物件に近いのです。

総額費用相場

一般的な施設の入居時費用の相場は19.4万円、月額費用は15.3万円となっています。(「LIFULL介護」料金相場による)

都道府県別相場ランキング(入居時費用と月額費用)

(「LIFULL介護」料金相場による)

相場が低い(1~5位) 相場が高い(1~5位)
入居時費用 1.5~10.6万円 23.7~57万円
月額費用 9.8~12.4万円 17.8~20.5万円

入居時費用の相場が高いランキングの都道府県9、10位が19.5万円です。

そのため平均相場は19.4万円ですが、ほとんどが10.6~19.5万円に集中しています。

月額費用の相場が高いランキングでも、9位が15.3万円と相場の平均、10位になると14.8万円なので、ほとんどが12.4~14.8万円の間に集中しています。

ただし個別の施設ごとではグレードやサービスの内容・体制によって差があるので注意が必要です。

また、全体的には大都市や都市部の方が高めに設定されています。

有料老人ホームの相場比較

有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅
入居時費用 480万円 19.4万円
月額費用 21.3万円 15.3万円

ちなみに高所得者向けといわれる有料老人ホームの相場は、サービス付き高齢者向け住宅の月額費用と比べると6万円高く、入居時費用負担は格段の違いがあることがわかります。

月額費用の項目別費用相場

賃料 約20㎡で5~7万円程度の事例が多いです。

一般のワンルームマンションの賃料相場とあまり差がないといえます。

管理費 2万円~3万円が多く、一般賃貸物件より数倍高い水準です。

これは食堂や共同リビングなど共用部分の施設が多いためで、メンテナンスや水道光熱費に多額の費用がかかることが影響しています。

食費 月に30日間、1日3食の提供を受けた場合で4.5~6.5万円が目安です。

施設のグレードや健康食を売りにしているなどによって差はあります。

サービス費 4万円台の事例が多く見受けられますが、生活支援やイベント・レクリエーション等の開催によって違いがあります。

入居条件

60歳以上の自立した高齢者だけでなく、介護や支援を必要とする人も対象としていますが、比較的軽度の要介護者が想定されています。

身の回りの自己管理ができ、自立した生活が可能な程度と言われています。

また認知症患者は基本的には対応しないことになっていますが、施設によっては入居可能です。

健康状態や介護の程度は、各施設での受け入れ体制によって条件が異なっていますので、個別の確認と相談は必要となります。

収入に関して具体的な金額基準はありませんが、一般の賃貸物件と同じように契約時の一時費用や月額費用の支払いができる収入または資産があることは必要です。

また、原則として連帯保証人、身元引受人を立てることが条件となっています。

入居審査

必要書類(施設によって違いがあります)

一般の賃貸物件と共通

  • 入居申込書
  • 住民票
  • 印鑑証明
  • 連帯保証人・身元引受人の確認書類
  • 収入・資産の額を証明するもの

他に必要となる書類

  • 健康診断書(取得に2~4週間かかる場合もあるため早めに準備します)
  • 入院していた場合は診療情報提供書など

審査ポイント

入居者宅への訪問、また施設への来訪による面談を行い、以下の点から総合的に審査します。

一般的な事項

  • 収入や資産の状況から十分に賃料の支払余力があるか
  • 連帯保証人・身元引受人が必要条件を満たしているか

そのほかの審査ポイント

  • 大きな声を出したり暴れたり、制止しても収まらないなど、周囲に迷惑をかけ集団生活ができない状態でないか。
  • 高齢者住宅での生活が可能な健康状態か。
  • 身の回りのことをどの程度自分でできるか。(自立度)
  • どの程度のサポートや介護が必要か。(介護程度)

なかでも、施設内の共同生活で職員が対応しきれないことや、他の入居者に被害の出る可能性がある場合は、審査を通過するのは難しいでしょう。

まとめ

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中所得者層を対象としている「サービス付き高齢者向け住宅」。

入居するための一時費用は19万円程度、月額費用は15万円程度掛かります。

さらに別途自己負担となる居室部分の水道光熱費であったり、健康状態により介護サービスを受ける場合など、介護保険適用でも自己負担分はさらに必要となります。

支払いの原資となる主な収入は、年金という方が多いでしょう。

ちなみに平成25年度の男性の厚生年金の平均受給額は16.6万円、女性は10.2万円です。

男女とも年金だけでは足りず、特に女性の場合は相場との差が大きい状況です。

個人の貯蓄や資産に頼らざるを得ないため、中には持家を売却する人、賃貸に出して家賃収入を得る人もいます。

公的年金以外の老後の生活資金として約3,000万円の貯蓄が必要とも言われています。

しかしこれは、持ち家に住み続けることを前提としているのです。

元気であれば問題ありませんが、持ち家の維持管理ができなくなれば、そこから別の高齢者向けの住宅や施設に入らなければなりません。

これでは約3,000万円の貯蓄でも十分ではない可能性があります。

そのため、たとえ先々のことであっても、サポートが必要な高齢者になることを想定しておきましょう。

そして、それぞれのライフプランや資金状況によって、高齢者向け賃貸住宅に入ることも含めてどのような選択が可能なのか、今からしっかりと考えておくことが重要です。

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