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日本語がわからない外国の方にはどうやって物件を紹介するのか、不動産業者の対応は?

[公開日]2017/06/05 [最終更新日]2017/09/25 ,,,


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不動産業者の多くは、突然外国の方が現れると、どう対応すれば良いか分からずに戸惑うでしょう。

日本語は話せるのか?どんな仕事をしているのか?収入は安定しているのか?貸主の承諾が得られるだろうか?といろいろなことを考えてしまいます。

そこで不動産業者側の視点から、どのようなことを気を付ければ外国の方にも上手く対応できるのか、受付から入居までの流れに沿って紹介します。

外国の方はもちろん、知人や友人に部屋探しをしている外国の方がいる場合は、業者側がどのような対応をしているかを参考にしていただくことで、賃貸物件探しがよりスムーズにいくでしょう。


受付の対応方法と注意点

まず最初に日本語がどの程度話せるかを確認します。
これは、挨拶や少しの雑談でもある程度分かるでしょう。

「日本に来てどのくらい経つのか」や「日本語はどこで学んだのか」などの質問が有効です。

まったく日本語が話せない外国の方であれば、通訳のできる知人と一緒に来てもらうようにします

日本語が話せる場合でも、専門用語はなるべく使わず、平易な言葉で話していきましょう。

賃貸条件のなかでもとくに数字に関しては、紙に書くなどしてお互いに誤解のないよう正確なコミュニケーションをはかることが重要です。

日本人であれば受付カードに必要事項を記入してもらいますが、外国の方の場合、会話はできても読み書きのできない方が多いので、希望条件については項目ごとに細かく聞いていきます。

外国の方に対して特に確認しなければならないのは、入居の予定期間と入居者の人数です。

それは、観光目的の短期滞在でも、宿泊費を安く済ませるために部屋を借りようとする可能性があるからです。

また長期滞在だとしても、友人数名と一緒に住もうとする場合は、紹介できる物件もかぎられてしまいます。

賃貸借契約と家賃、契約時費用の説明

他にも受付の段階で重要なポイントがあります。

それは、日本の賃貸借のしくみや特徴、家賃や契約時費用がどのくらい必要なのかを理解してもらうことです。

日本で部屋探しをする外国の方向けの案内『部屋探しのガイドブック』が、国土交通省住宅局住宅総合整備課から出されています。

ホームページからダウンロードできるので誰でも手軽に利用できます。

ガイドブックには、部屋探しから入居までの流れや、手続きでの注意点、さらに入居後の住み方のルールまで細かく書かれています。

これを読めば、賃貸借契約における日本と外国との違いについて理解してもらえるでしょう。

ちなみに日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の6カ国語で作成されています。

家賃相場や契約時の敷金・礼金・その他費用は、人によっては金額のイメージがまったく違うので、希望する地域と間取りではどの程度必要かということをはっきりと伝えます。

誤解したまま進めばトラブルになりかねないので、受付時にしっかりと説明しましょう。

申し込みの対応方法と注意点

入居希望の外国の方に賃貸条件を理解してもらったら、次は入居申込書を記入してもらいます。

仕事、勤務先、年収など家賃の支払い能力に関しては特に詳しく書いてもらわなければなりません。

身元確認を早い段階で行うため、パスポートや外国人登録証の提出はこの時点で求めると良いでしょう。

さらに日本では当たり前ですが、入居審査があって審査に通ってからはじめて契約書が交わされることも、しっかりと説明しなければなりません。

また外国の方の契約には、より多くの書類が必要となるため、リストなど一覧にして間違いや漏れがないようにすることも重要です。

いざ契約の段階で契約時の費用が支払えないということがないように、事前にどのくらい必要なのか明示して理解してもらいます。

連帯保証人をつけられるかどうかも重要です。

連帯保証人についての説明をしたうえで、保証人となってもらえる日本人の知人がいるか確認しましょう。

保証人が見つからなければ物件の変更が必要なケースも出てきます。
それは家賃保証会社を利用できる物件でなければならないからです。

ただし、家賃保証会社にも審査があるので、場合によっては利用できずに借りられる物件がなくなることも説明しておきます。

審査の対応方法と注意点

パスポートや外国人登録証による身元確認ができた後は、家賃の支払い能力などの審査です。

働いている方は勤務先や年収の額だけではなく、収入の安定性に着目します。

学生の場合はアルバイトの収入や母国からの仕送りについて確認しましょう。

家主に自信をもっておすすめできる入居者かどうかを判断するには、書類などの形式的なチェックだけでなく受付時からここにいたるまでの間のコミュニケーションも審査の場となります。

入居後トラブルにならないよう、日本での生活文化をきちんと守ってもらう必要があります。

そのため事前の説明を理解することはもちろん、まじめで誠実な人柄かどうかも会話の中から見極めていくのです。

入居後の連絡や意思疎通が難しければ契約するのは難しくなるでしょう。

契約の対応方法と注意点

賃貸借契約書は原則的に日本語で書かれたものを使用します。
契約書には本人の署名だけあれば捺印の必要はありません。

内容を十分に理解してもらうには、先述した国土交通省住宅局のホームページにある賃貸住宅標準契約書の外国語版を参考にすると良いでしょう。

こちらも6カ国語で作成されているので、ほとんどの外国の方に対応可能です。

日本人であれば契約時の注意事項は口頭で説明しても問題ありませんが、外国の方の場合は契約書に特記事項として細部まで加えることをおすすめします。

また、賃貸借契約は日本での滞在予定期間に応じて「定期建物賃貸借契約」を結ぶようにしましょう。

外国より日本のほうが借主を保護する法律になっているので、退去にまつわるトラブルを少なくするためには、より有効な方法をとるべきといえます。

入居の対応方法と注意点

契約した外国の方の借主には、日本人以上に丁寧なサポートが必要です。

引っ越し業者の手配、電気・水道・ガス・インターネットなどの手続きなどのお世話も、入居後の良好な関係を維持するうえでとても重要です。

また手続きだけでなく、火災にならないように給湯器やガスコンロの使い方や注意点を説明したり、部屋の壁にくぎを打ったり、ペンキを塗ってはいけないなどはあらかじめ伝えておく必要があります。

契約前に生活習慣について説明している場合でも、ゴミの出し方や騒音などは入居時にもう一度念押しした方が良いでしょう。

まとめ

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外国の方が賃貸物件に入居するには日本人よりも難しいです。
しかし、それが事実だとしても、貸主は単にトラブル回避のためだけで拒むことはできません。

不動産業者も、気付いたら店のカウンターに外国の方が座っているという状況もあるでしょうが、最初から「できれば早く帰ってくれないか」という態度ではなく、この外国の方はどんな方だろうかと興味を持って対応してもらいたいものです。

受付の段階から入居審査は始まります。
対応にあたっては厳正な目が必要ですが、先入観を持たずに判断しましょう。

外国人の来訪者数は今後も増え続けることが予想されています。
また、日本の空き家数も増加傾向にあるといわれています。

この二つを結びつけるためには不動産業者は欠かせません。

日本の方に対してだけでなく、日本に住むまたは住みたい外国の方に対してもよりよい住環境を提供していくことが、今後さらに重要な役割となるでしょう。

借主となる外国の方も、「郷に入っては郷に従え」のことわざのように、日本の生活習慣はしっかり理解し、貸主とのコミュニケーションをしっかり取るようにしましょう。

 

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