引っ越しに必要なNHK受信料の手続きについて徹底解説します!
[公開日]2018/07/12
NHKの受信料を支払っていない人もいるのが実態ですが、本当に払わなければいけないのか疑問に思う方も多いでしょう。
支払いに対して消極的なことも影響しているのか、引っ越しの際のNHKへの手続きは後回しになりがちです。
また、受信料がお得になる支払い方法や契約があることは意外と知られていません。
ここでは、引っ越しに必要な手続きを中心に、普段はあまり馴染みのない「NHK受信料」について詳しく紹介します。
受信料は払わなければいけないのか
NHKの放送を受信できるテレビ、チューナー内蔵パソコン、ワンセグ対応端末を所有している場合に、放送受信契約を結び、放送受信料を支払うことが必要となります。
これはケーブルテレビで受信している場合も対象です。
公平に受信料の支払いをしてもらい、これによって国や特定企業に影響されない、公共の福祉と国民の生活に役立つ番組づくりを目指しているのです。
このため、受信料は払わなくてもよいものではなく、放送法で定められた義務となっています。
受信装置を所有していることで放送受信契約の対象となり、テレビを見ないことを理由に支払いを拒絶することもできません。
NHKの調査結果では平成29年度末の推計世帯支払率は、全国値で79.7%と約8割のかたが支払っており、平成28年度末と比べて1.5ポイント高くなりました。
受信料の支払い方法
1.放送受信契約
放送受信契約は世帯ごとに結びますが、「世帯」とは「住居」と「生計」をともにする「人の集まり」、または、「単身」でも独立して「住居」もしくは「生計」を維持する方です。
テレビの台数には関係なく受信契約はひとつですが、親元を離れて暮らす学生や、単身赴任の場合など、世帯が別であればそれぞれ受信料の支払いが必要です。
いわゆる「二世帯住宅」も、生計が別であればそれぞれに放送受信契約が必要です。
2.放送受信料
テレビの設置の月から、廃止の届けの月の前月まで受信料を支払います。
支払いは口座振替、継続振込、クレジットカード継続払の3種類となります。
3期分以上支払いを延滞すると1期あたり2.0%の割合で計算した延滞利息が発生します。
3.支払い方法
受信料は2か月を単位とし偶数月に支払います。口座振替は偶数月の26日に引き落とされます。
6か月、12か月の前払の場合には、それぞれ約5%、7.61%の割引が適用されお得になります。
4.放送受信契約の解約
テレビを設置した家に誰も住まなくなる場合や、廃棄、故障などで受信契約対象のテレビがなくなった場合は解約することができますが、実際には簡単ではないようです。
解約については、所定の届出書を提出し、NHKで内容を確認したのち、受信契約が解約となります。
この場合、届けのあった前月まで受信料の支払いが必要です。
しかし、手続きにはテレビを処分したことを証明する「家電リサイクル券」を添付する必要があります。中にはこの証明書を先に送らないと解約届出書すら入手できない事例も起きているようです。
また、この書類がない場合には、家に立ち入り確認される場合もあり、そして、友人などに譲渡した場合には、譲渡先にNHKから確認の連絡が入ることがあります。
NHKでは受信料を払いたくないための不正な解約を防ぐよう、受信できない状況を確実に証明できないと難しくしているのです。
もし、解約手続きを忘れていて、自動引き落としやクレジットカード払いにしていると、自動でNHKに支払われてしまい、これを取り返すことは難しくなります。
解約する予定があれば、事前に「継続振込」に変更しておくようにすると払い過ぎを防ぐことができます。
引っ越し時の手続き
引っ越しが決まったら早めに所定の手続きを行います。以下のいずれの場合もNHKのホームページ「NHK受信料の窓口」で申請できるほか、フリーダイヤルの電話でも可能です。
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1.世帯全体の引っ越し
一人暮らし、家族を問わず、世帯員全体で引っ越す場合は「住所変更の手続き」が必要で、契約住所を新住所に変更します。
支払方法に変更があれば併せて行ないます。
2.世帯からの独立
一人暮らしや単身赴任、また結婚などで、現在の世帯から独立する場合は、「新規契約手続き」が必要になります。
3.世帯の合併
一人暮らしから実家に戻る、単身赴任から家族同居になる場合は、「世帯同居の手続き」が必要です。
もし、未払いや過払いの受信料がある場合には後日精算となります。
また、転居先が受信料を支払っていない場合は、旧居での契約が継続となるので「住所変更の手続き」をします。
受信料がお得になる「家族割引」
1.適用条件
- 同一生計で家族が離れて暮らす、学生の一人暮らしや単身赴任の場合
- 別荘など、同一契約者が複数の住居を所有し契約する場合
上記のいずれかで、支払い方法が口座振替、クレジットカードの継続払い、継続振込の場合
2.割引内容
受信料50%割引 口座振替・クレジットカードの場合は2ヶ月払いで2,230円、12か月前払いでは12,385円もの割引
3.必要書類
同一生計であることが確認できる書類(学生証や健康保険証など)
一人暮らしを始めてNHKの職員が来たらどうする?
NHKでは、不動産業者や引っ越し業者から、また転居届を出した郵便局から、転居者の情報が得られるようになっています。
これをもとに、契約しているかどうか確認するために職員が訪ねてくる場合があります。
なかには、夜遅くに来たり、「テレビがないか部屋の中に入って確認する」など、威圧的に言われることもあるようです。
遅い時間に来た場合には、その時は応対せず、日を改めて日中に来てもらうようはっきりと伝えましょう。
確認のためとはいえ部屋に入れる必要はなく、テレビや他の受信装置がない場合はただ説明すればいいのです。
実際にテレビを持っている場合は、支払わないことは違法になりますので、その場で手続きをするか、NHKのホームページから申し込みをしましょう。
まとめ
NHKの受信料は「法律で支払う義務があること」を知らなかったかたも多いでしょう。
全国で約2割の人が支払っていない現状がありますが、あくまでも違法ですので、テレビを所有していれば支払い手続きを行う必要があります。
一方で、学生の一人暮らしや、単身赴任から家族で住むことになった場合には、早めに手続きをしておかないと受信料を多く支払うことになりますので注意が必要です。
また、家族割引が適用されるケースでは、手続きを怠ると必要な金額の2倍の支払いをすることになり大きなムダとなります。
NHK受信料については、ここで紹介した仕組みや手続きについて正しく理解し、早めの手続きをすることをおすすめします。