激狭ワンルームの人気のひみつとメリット・デメリットについて解説
[公開日]2018/08/23
最近、あえて「激狭」の物件を狙って部屋探しをしている人がいます。
また、激狭ワンルームのマンションを建て貸し出すオーナーもいます。
この「激狭」とは、面積に明確な決まりはありませんが、おおよそ10㎡以下を指すことが多く、これは6畳くらいの広さです。
バス・トイレ、キッチンを含めての面積ですので、部屋としてのスペースは4.5畳に満たない程です。
部屋を探すときの条件のなかでも、「広さ」は多くの人がこだわる重要なポイントです。
なぜ狭い部屋に人気があるのでしょうか。また、激狭ワンルームが増加しているのはなぜでしょうか。
ここでは、激狭ワンルームの人気の秘密、そしてメリット・デメリットについて、実例の紹介も交えて徹底解説します。
1.激狭ワンルームの実例
SUUMOで都心6区のワンルームマンションから面積の狭いものを検索すると、「激狭ワンルーム」が数多く出てきます。
なかには、シェアハウスのようなバス・トイレ、キッチンが共用で、居室のみという物件もありますが、独立した住戸として作られた通常の物件がほとんどです。
まずは、激狭ワンルームの実例を3つ紹介します。
部屋の特徴・設備:エアコン、オートロック、エレベーター、光ファイバー、外壁タイル張り、防犯カメラ、ネット専用回線、ネット使用料不要、シャワールーム、高速ネット対応、敷金・礼金不要
部屋の特徴・設備:エアコン、フローリング、南向き、IHクッキングヒーター、照明付、冷蔵庫、敷金1ヶ月、礼金1ヶ月
部屋の特徴・設備:エアコン、シューズボックス、角住戸、光ファイバー、外壁タイル張り、ネット専用回線、保証金不要、玄関収納
ほかにも数多くの「激狭ワンルーム」があり、これらは、ネットで検索すればすぐに探すことができます。
紹介した3つの事例は、「都心で駅から近くて、この家賃でこの設備!」と驚くほど魅力的です。
これらの立地であれば、通勤時間も30分以内に短縮される方も多いでしょう。
設備面でも、エアコン、フローリング、ネット回線など、一般の賃貸物件と比較しても充実しています。
物件によっては照明や冷蔵庫が備え付けの場合もあり、一人暮らしを始める方にとっても手軽に引っ越しが可能です。
一般的な20㎡と比較して家賃がどのくらい安いかですが、上記③のケースでは2万円前後で、さらに保証金がないため契約時の負担も軽くお得になっています。
2.激狭ワンルームの人気の理由
1.狭くても魅力的な物件が増加
以前の「激狭」物件は、4.5畳や3畳のアパートで、トイレは共同、風呂なしが一般的でした。
「狭い=劣悪」というイメージで住みたくない物件の代表的なものでした。
今では紹介した事例のように、狭いことを除いては人気の賃貸物件と遜色のない、「これなら住んでみたい」と思えるものが出てきたのです。
2.広さより都心への近さ重視
以前は一定の家賃負担で、ある程度好条件の部屋に住もうとすると、結果として遠くに住むことが当然のことでした。
今ではそのような長い通勤は時間の無駄で、たとえ狭いところに住んでも、職場から近いほうが良いと考える方が増えたのです。
これも、住んでみたいと思える「激狭ワンルーム」が増えたからともいえます。
また郊外より都心に住むことで、自分の住んでいる場所を自慢でき、若者には大きなポイントです。
3.外で時間を過ごせる場所が増えた
以前は自分の部屋に快適さを求め、帰宅後や休日に自宅でくつろげることが重要視されました。
今ではカフェなどが充実し、自室以外でもリラックスして時間を過ごせる場所が増えたのです。
短くなった通勤時間によって、平日でもカフェに寄り道して、優雅な時間を楽しんでから帰宅することができます。
3.激狭ワンルームの増加の理由
1.家主にとって稼働がよい
激狭ワンルームは家賃が安いため、空室が出てもすぐに次の入居者が決まり、長期空室のリスクが低いという利点があります。
築年が古い激狭の物件も、陳腐化した設備を新しくすることで、ただの古くて狭い物件から人気の激狭ワンルームに変えることも可能です。
2.狭い土地でも賃貸マンションを建てることができる
通常のワンルームマンションを建てられないような敷地でも、激狭なら可能な場合があります。
また、ひとつの階に一戸では広すぎ、二戸では狭すぎる場合も、激狭ならうまく配置できることがあります。
4.激狭ワンルームのメリット・デメリット
1.メリット
- 同じ家賃でもより都心に住むことが可能
- 通勤が短くなることで時間を有効に使える
- 駅近の物件も多く利便性が良い
- 契約の一時金が敷金・礼金ナシなど、負担が軽くて済む場合がある
- エアコン、オートロック、フローリングなど、設備的に通常の人気物件と同じくらい充実している
- 持ち物を置くスペースが限られるので自然とシンプルな生活になる
2.デメリット
- ベッドや家具は置けない場合が多い(荷物の量の目安は、布団、衣装ケース、ハンガーラック、ミニテーブル、ノートパソコンの他最低限の日用品)
- 狭いところが苦手な人は圧迫感を感じる
- 収納スペースが少ない、またはクローゼットがないものが多い
- 風呂には浴槽がないことが多くシャワーのみ
- キッチンが狭いため、本格的な自炊は難しく、外食や買ってきたもので済ませることになる
- 友人を呼ぶ時には居場所が限られる
- 洗濯機は置き場所がないことがあり、コインランドリーを使わなければならない
- ベランダがない物件が多く洗濯物は部屋干しになる
5.激狭ワンルームに住むときの注意点
1.シェアハウスのタイプもある
物件情報の中には、バス、トイレ、キッチンを共同で使うシェアハウスタイプがあるので、独立した住戸かどうか間取り図できちんと確認しましょう。
なかには、3LDKなどの広い部屋を無理やり改装し、貸し出しているものもあります。
2.すべてが賃料が安いわけではない
駅から少し遠い、設備面で劣る、物件周辺の環境にマイナス面があるなどの理由で、普通の広さのワンルームでも安く借りられる場合があります。
激狭ワンルームを狙っている場合も、必ず通常のワンルームを併せて紹介してもらい、本当にお得なのか条件を比較し検討しましょう。
まとめ
ここまで激狭ワンルームについて紹介してきましたが、本当に優良物件といえるのでしょうか。
現在出回っている人気の物件は、家賃、立地、設備ともに狙い目の物件といえます。
ただひとつ許容すべき条件は狭いことです。従って狭いことが好きな人でないと部屋探しのターゲットにはなりません。
激狭ワンルームに向いているのはこのような人です。
- 狭いところが苦にならず、むしろ狭いほうが落ち着く
- 部屋には寝る場所と、在宅時に不便を感じない程度の設備があればよい
- 外出することが多く、友人とは外で会う方が楽しいと感じる
- 荷物が少なく手軽に新しい場所に引っ越しできるようにしたい
つまり、「ライフスタイル」が合うかどうかが重要なポイントとなります。
この記事を読んで、自分にピッタリ合っているというかたはぜひ「激狭ワンルーム」で都心生活を楽しんでください。