防犯対策は心がけが大切!女性の一人暮らしで注意することとは
[公開日]2017/10/03 [最終更新日]2018/07/12 一人暮らし,防犯
警察庁の調べによると、2003年以降は減少を続けていますが、それでも空き巣などの住宅に対する侵入窃盗は1日当たり約107件発生(2016年)しています。
そのうち4割以上は「無締り」といわれる、鍵をかけ忘れて外出するまたは在宅中に施錠しないで被害にあっているのです。
また、宅配業者や同じマンションの住民を装って訪問し、ドアを開けたところで中に押し入る「押し込み強盗」が増えています。
これらの犯罪は、金品を奪われるだけでなく、身体的な被害を被る可能性があってとても危険です。
ただ注意して行動すれば防げる犯罪被害は意外と多いのです。
ですから、防犯に優れた物件だからといって安心しきることなく、日常生活で犯罪者にスキを与えない暮らし方というのが大きなカギを握ります。
そこで、女性が一人暮らしをする上での、防犯を意識した行動や気をつけるポイントについて紹介したいと思います。
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女性の一人暮らしだと思われないための対策
まずは女性が一人暮らしをしていると思われないことが重要です。
では、その対策例として5つ紹介します。
- 表札には苗字だけ書く
- 引っ越し時の挨拶に行かない
- 洗濯物は室内干しが基本
- 窓際の注意点
- 玄関の注意点
郵便ポストや玄関の表札にフルネームを書いてしまうと、部外者でもすぐに分かってしまうので当然狙われやすくなります。
挨拶に行くということは、一人暮らしだと自分から伝えているようなものです。
その情報は誰の耳に入るか分かりません。
ですから、新生活をスタートしてから顔を合わせるようになって初めて挨拶を交わせば良いでしょう。
ただ、隣近所への挨拶はもちろん重要です。
そこで、挨拶に行く場合は、一人暮らしかどうか分からないように家族や友人知人などとともに訪問すると良いでしょう。
女性の一人暮らしの目印となるのは洗濯物です。
そこで、室内またはベランダの外から見えない位置に干すようにしましょう。
ただ夜に洗濯物を取り込む場合が多いと、昼間いないことが分かってしまう可能性があります。
ですから外出する時は部屋干しのほうが安全です。
また男物を一緒に干すと良いといわれますが、いつも同じものというわけにいきませんし、何着か必要となって手間もかかります。
たとえ男物と一緒に干しても、女性の洗濯物が見えることには変わりませんから、防犯上の効果は限定的といえるでしょう。
外からピンクや花柄のカーテンが見えると、それだけで女性の部屋だと分かる可能性があります。
なので、落ち着いた色で遮光性のあるカーテンを使用しましょう。
また窓際に、ぬいぐるみや女性ものバッグ、化粧品などは置かないようにします。
外から自分の部屋がどのように見えるか、一度昼間と夜それぞれで確認してみるのも防犯対策をするうえで重要なことです。
来訪者に一人暮らしと悟られない工夫としては、女性ものの靴を並べないようにしたり、きちんと靴入れに収納しておくことです。
玄関に男物の靴を置くのも、部屋に男性がいると思わせることができるので効果的な方法です。
もし玄関から部屋の中が見渡せてしまうのであれば、カーテンやのれんなどで目隠しをしましょう。
狙われないために心がけることとは
生活リズムを読まれない
犯罪者は入念な下見をするといわれています。
たとえば昼間はカーテンを閉め切り夜は明かりがつくなど、同じパターンで生活している場合は、昼間留守にしていることや帰宅時間が分かってしまいます。
ですから、ときどきレースのカーテン(室内が見えないもの)だけで外出するなど、変化をつける工夫をしましょう。
郵便物やゴミからも情報は漏れている
郵便物が盗まれ個人情報を悪用されるケースもあります。
なのでクレジットカードの利用明細などは、郵送からウェブ明細に変更したりしてリスクを減らすことが重要です。
また旅行などで何日も家を空ける際には、新聞を止めたりしてなるべく郵便受けに物が貯まらないようにしましょう。
そして、ゴミを出すときには個人情報が書かれたものは裁断するなど、ひと手間かけることが防犯につながります。
玄関ドア周辺はきれいにしておく
泥棒は下見をして、入りやすい家に「マーキング」をしておきます。
ただドアの周囲や共用廊下側が乱れていると、そのマーキングに気づきにくく貼りやすくなってしまいます。
それを防ぐためには玄関周りを常にきれいにし、マーキングがないか注意しましょう。
もしそれらしきものあれば、すぐに取り除いてください。
侵入されないための注意点
警察庁発表の2016年「侵入窃盗の侵入手段」
3階建て以下の共同住宅 |
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4階建て以上の共同住宅 |
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階数で若干の差があるものの、無締り、ガラス破り、合鍵の3種類の手段をいかに防ぐかが、侵入されないようにする重要なポイントとなります。
玄関ドアの鍵は必ずかける
表を見ると、侵入窃盗の5割弱は階数に関係なく無締りだというのが分かります。
ですから、たとえ郵便を取りに行くような短時間でも、部屋を出るときは必ず鍵をかけるようにしましょう。
また在宅時でも、施錠しないで強盗に入られるケースがあります。
そのため、鍵は常にかけると意識しておくことが重要です。
オートロックが付いていても、建物内には誰が入り込んでいるか実際には分かりません。
また、同じマンションの居住者による犯罪も起きているのが実情だと認識しておきましょう。
窓ガラスを閉める
玄関ドアと同様に、外出の時だけでなく在宅時であっても窓を閉めて施錠しておくことが基本となります。
開けておくのは目の届く部屋だけにして、特に就寝時には全ての窓が閉まっているかどうか確認しましょう。
2階以上の場合だからといって窓を開けたままでいると、就寝時や外出時に泥棒に入られるというケースが実際には多くあります。
窓が開いていることは外から一目瞭然なのでとても狙われやすいからです。
窓からの侵入対策
窓ガラスを破って、クレセント錠を外して侵入するという手口も依然として多く発生しています。
ツーロックが理想的ではありますが賃貸物件ではまだまだ少ないです。
その時には補助錠をつけると防犯性を高められて効果的です。
さらに窓の上部につければ、侵入者は立ち上がって作業するしかなく、周囲から目立ちやすくなるので、より効果を高められます。
合鍵対策
知らない間に自分の部屋の合鍵を作られることなんてあるの?と思われるかもしれませんが、実際には多く発生しています。
もし合鍵が作られてしまったら、戸締りや窓の補助錠などの対策はまったく意味がありません。
最近では合鍵を作るために本人確認が必要な場合もありますが、多くはまだ鍵に刻印されている「キーナンバー」と「メーカー」が分かれば、ネットで簡単に注文できてしまいます。
一瞬のスキがあればカメラで撮られてしまいますから、他人のいる場面でテーブルに出すなどは控えましょう。
またSNSなどの画像から分かってしまう場合もあるので注意しましょう。
キーナンバーは「部屋の鍵そのもの」と認識し、他人に見られないように市販のカバーなどの対策をオススメします。
帰宅時の押し入り対策
帰宅途中に後をつけられて、部屋に入る瞬間に押し入るという手口に対しては、部屋に入って鍵をかけるまで常に警戒し続けることが重要となります。
ただ身の危険を感じた場合でも、すぐに部屋に逃げ込もうとすれば逆に部屋の場所が分かってしまうので、たとえば近くのコンビニなどのひと目につくところに一時的に避難しましょう。
路上での対策
夜だけでなくたとえ昼間でも、誰かに後をつけられていないか後ろを振り返るようにしましょう。
最近ではスマホなどを見ながら、また音楽を聴きながら歩いている方が多いですが、周りの音や不審者に対して反応が遅れる可能性があります。
昼間だと明るいからと安心しがちですが、逆にしっかりと周りに目を向けることを心がけましょう。
もし不審な人がいた場合はコンビニなどに寄って様子を伺います。
それでも後をつけられるようなら迷わず交番に行きましょう。
通勤通学の経路をいつも同じにしないというのも一つの方法です。
ただ道がかぎられる場合もありますから、その時には駅周辺のカフェに寄るなど行動に変化をつけるだけでも違います。
マンション内の対策
マンションのエントランスに見知らぬ人が入ってきた際には、一旦部屋に向かわず近くのコンビニなどに戻って様子を見ましょう。
場合によっては店員に助けを求めてください。
エレベーターを待っているときに、後ろに見知らぬ人が来た場合は、なるべく一緒に乗らないようにします。
共用廊下の途中にも、待ち伏せできそうな死角というのはたくさんありますから、注意しながら進みましょう。
部屋のドアの前に到着したからといって安心してはいけません。
先述した、鍵を空けた瞬間に部屋に押し入られてしまったら大変です。
なので、鍵を取り出す前に、もう一度周囲に人の気配がないか確認しましょう。
また一人暮らしでも、部屋に入るときは「ただいま」、出かけるときも「行ってきます」と言うことを習慣にするだけでも防犯対策になります。
なぜなら、自分が気付けなかった隠れている人に対しても、部屋には他の住人がいるかのように思わせられるからです。
もちろん部屋に入ったらすぐにドアの鍵をかけるのを忘れてはいけません。
在宅時の押し入り対策について
宅配業者や点検業者、近所の住民を装って訪問し、ドアが開いた瞬間に押し入るという手口に対しては、どんな訪問者に対しても常に警戒心を持つことが重要です。
ではどのように対応すれば良いのでしょうか。
訪問者の確認
チャイムが鳴ってもすぐにドアを開けてはいけません。
まずは訪問者が誰か確認することが重要です。
そして返事をする前に、モニター付きインターホンやドアスコープで訪問者を確認します。
もしも会う必要がない相手であれば、ドアを開けずにインターホンやドア越しで要件を確認して対応しましょう。
ドアを開けて対応しなければならない場合
訪問者を確認してドアを開ける場合でも、基本はドアチェーンをかけたままにしておきます。
宅配便で大きな荷物が届いたとしても、ドアの外にひとまず置いてもらうなど、後で入れる対応をしましょう。
点検業者の場合には、事前連絡があるときだけ対応するようにします。
またその際でもドアチェーンはかけたままにして、身分証明書の提示を求めるなど対策しましょう。
宅配ロッカーがある場合、あとで荷物を取りに行くような習慣にすれば、それだけで受け取り時のリスクを減らせますし、荷物が軽い場合は「コンビニ受け取り」にする方法もあります。
「下の階の者だが、水が漏れている」、「近所に引っ越してきたもの」と訪問してくる方がいるかもしれません。
その時もまずは慌てず、ドアチェーンごしに話を聞くようにしましょう。
まとめ
女性の一人暮らしはそれだけで狙われやすいものです。
防犯のためにはそれをいかに隠すか、逆に犯罪者を騙すような冷静さも必要です。
犯罪者は下見をして狙いやすいところを探しています。
それを判断するのは、外から一目で分かるまたは入手できるような情報です。
ですから、自分の生活の情報を外に漏らさないように気をつけることが重要となります。
また侵入されないようにするには、無締りやガラス破り、合鍵というような主な犯罪者の侵入手口を防ぎ、少しでもやりにくくしておくことも大切です。
誰にでもできるような、ドアや窓の鍵をかけたり補助錠をつけるなどでも、多くの犯罪被害が減らせると再認識しましょう。
最近とくに怖いのは「押し込み強盗」です。
これに対しては、警戒心が効果的で防犯対策につながるといえます。
犯行をあきらめた第一の理由として、近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られたということが最も多く挙げられています。
つまり警戒心のないスキのある人は、犯罪者にとって狙いやすいわけです。
周囲に目を光らせ警戒している人というのは、周りから見てもすぐに分かります。
ですから、もし不審な人を見かけたら、たとえ声をかけられないとしても「ジロジロ見る」だけでも撃退効果があるのです。
犯罪被害に対して自分だけは大丈夫という意識を捨て、犯人に目をつけられない、呼び寄せない、追い払うという強い気持ちを持つようにしましょう。
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