マンスリーマンションと普通の賃貸物件、住むならどちらがお得?
[公開日]2017/05/08 [最終更新日]2017/09/25 賃貸物件,引っ越し準備,物件探し,家賃
賃貸物件を探そうとするとき、一時的な仮住まいのイメージが強いマンスリーマンションを検討する方は少ないでしょう。
しかし最近では、一般の賃貸物件をマンスリーマンションとして貸し出しているケースも見受けられ、専門で紹介するサイトも存在します。
そこで、マンスリーマンションの特徴や主な利用方法、そして普通の賃貸物件と比較した場合どちらがお得なのかについて紹介します。
マンスリーマンション・契約の特徴
入居期間
マンスリーマンションの最大の特徴は、契約期間が比較的短期であることです。
契約自体は一般と同様の賃貸借契約に該当しますが、最低契約日数というものが定められた定期借家契約を結びます。
最低契約日数は7日もしくは30日からの契約というのが一般的です。
なお定期借家契約とは、定められた契約期間の満了時に更新できず明け渡しが必要になる契約のことをいいます。
契約期間は貸主が自由に定めることができ、契約期間が1年以上になる場合は期間満了の1年前から6ヶ月前までに借主に契約終了の通知をする必要があります。
しかし貸主との合意があれば、敷金礼金などを支払って住み続けること(再契約)も可能です。
そのため、数日間や1年という短期間の利用だけでなく、場合によっては更新して1年を超えた長い期間住むことも可能です。
また、床面積200㎡未満の物件であれば中途解約に関する特約がなくても法律によって中途解約が可能なので、たとえ予定が変わっても必要な期間だけ使用できるため借主にとってフレキシブルな契約となっています。
契約期間が長期になると賃料が安くなる設定にあり、数日という短期間よりも半年、一年のほうがお得に契約できるのも特徴の一つです。
契約条件
敷金・礼金の必要ない物件がほとんどで、一般の賃貸物件よりも入居費用がかからないというのはメリットです。
中には契約金のカード払いが可能であったり、契約時に賃料を一括で払うことができるところもあります。
一方で、清掃費として退出時の部屋のクリーニング代をあらかじめ取られることが多いです。
これは普通の賃貸であれば退去時に敷金から清算されるものです。
また2名まで入居可能という物件も多くありますが、募集時の料金表示は1名入居時のものであるため、賃料だけでなく光熱費や清掃費も加算される場合が多いので注意が必要です。
マンスリーマンション・物件の特徴
最大の特徴は生活に必要な家具や家電、備品があらかじめ部屋についていることです。
ただし、布団は衛生上の問題があるためセットでレンタルされているのが一般的です。
また、食器は備え付けのものとレンタルの場合がありますが、入居期間が長期であったり他人が使ったものに抵抗がある場合には、自分で購入した方が良いかもしれません。
食器類を含めても自分で何か買う必要はほとんどないので、新生活をすぐにスタートできます。
次に建物や設備についてです。
分譲マンションやデザイナーズマンションをマンスリータイプにしたハイグレードなものもあります。
賃料は高めになりますが、浴室乾燥機や温水洗浄便座などの充実した設備が整う物件もあります。
また、物件のエントランスには暗証番号を押すと開錠できるデジタルテンキーを導入しているところもあります。
借主は受け渡しの手間が省けますし、何より鍵を失くす心配がありません。
貸主も暗証番号を変えれば鍵を交換する必要がないのでコストの面でメリットがあります。
電気、水道、ガスなどのライフラインは、その物件の運営管理会社が契約者となっているのが一般的です。
入居の際の契約やガス開栓に立ち会うなどの手間が省けるので、借主にとってはメリットです。
料金は月額での支払いになりますが、エアコンをつけっぱなしにするなど極端に使用量が多い場合には、別途請求されることもあるので注意が必要です。
マンスリーマンションの主な利用方法
まず受験シーズンの拠点として短期的に利用するケースがあります。
2週間程度滞在する場合、ホテルを利用すれば高額になってしまいます。
その点マンスリーマンションであれば、自炊もできますし自分の部屋として自由に使えるので、勉強にも集中しやすいでしょう。
また大学合格後でも、キャンパスの移動や就職する際などで何度も引っ越しをする場合、普通の賃貸物件であれば毎回敷金などの契約時費用が必要です。
マンスリーマンションであれば契約時費用を負担しなくてもいいのでお得になります。
単身赴任の住まいとしても便利です。
家具や家電、備品を準備する資金も時間も必要ないので急な転勤であっても問題ありません。
新たに買うものも少ないでしょうから、戻る際に処分に困るようなこともないでしょう。
ほかには趣味のためのセカンドハウスとして利用する方もいます。
家族と住んでいたり狭い部屋で自分の趣味のスペースを確保できない方などが、誰にも迷惑をかけることなく、作品づくりや自分の時間に没頭するために利用しています。
何年も同じ場所に住み続けることが嫌で定期的に新しい場所に引っ越したいという方も、先述しましたが入居時の負担が少ないのでマンスリーマンションが合っています。
一般賃貸との比較、マンスリーマンションはお得?
マンスリーマンションと一般賃貸のどちらも募集されている同じ建物で比較します。
居住期間は1年間とし、その間の総支払額を算出します。
東京都世田谷区 東急田園都市線用賀駅から徒歩8分 1K 19.44㎡ 築19年 7階建
賃料84,000円/月、光熱費30,000円/月、清掃費44,000円/契約時、会費(契約手数料、管理費)24,000円/月、インターネット無料、取引形態が貸主のため仲介手数料はかからず
年間総額:1,700,000円
賃料70,000円/月、管理費6,000円/円、敷金70,000円/契約時、仲介手数料70,000円/契約時、火災保険8,000円/年、保証料(初回38,000円、月々1,064円)、他初期費用38,200円/契約時
年間総額:1,078,968円(敷金は退去時に返還されるので含めず)
他想定額:光熱費12,000円/月、インターネット5,000円/月、ハウスクリーニング30,000円/退去時
想定額込み年間総額:1,312,968円
結果、マンスリーマンションのほうが387,032円高い。
値段だけ見ると一般の賃貸マンションの方がお得です。
ただし、マンスリーマンションが家具や家電などを揃える必要がないのに対し、賃貸マンションでは寝具や調理器具なども含めて用意するものが多くなります。
そのため、すべて新品である程度の金額のものを買う場合、両者の差はそれほど大きくはないでしょう。
逆に高くなるかもしれません。
また、物件によって変わることも頭に入れておきましょう。
上記の例と同じような価格になるわけではありません。
しっかりと比較をして、自分の住む期間ではどちらがお得なのかを見極める必要があります。
まとめ
長期間住む予定がなく、1年以内に転居が必要であったり毎年引っ越しをする方であれば、マンスリーマンションを中心に部屋探しをすると良いでしょう。
マンスリーマンションのメリットの一つは、いつでも他に移れるホテル感覚のような新鮮な気持ちで生活できることです。
一か所で安定して住みたいのか、逆にいつでも新しい発見をしながら生活したいなど自分の思考もよく考えましょう。
逆に、好きなもので自分の部屋を満たしたい方にとってマンスリーマンションは合いません。
しかし、マンスリーマンションに住んでみると、身の回りのものを最小限にしたシンプルライフに変わるかもしれません。
部屋探しは自分のライフスタイルを見つめなおす絶好のチャンスです。
金額比較はもちろんですが、自分に合っているかどうかも重要です。
しっかりと比較検討したうえで素敵な物件を見つけていきましょう。