マンションやアパートの賃貸契約したけど他にもっといい物件が!キャンセルはできるのか?

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2017.05.15

目次

部屋探しの際に内見して気に入った物件があると、それを逃すのが惜しいということで、不動産業者の言われるままに申し込みから契約まで進めてしまうかもしれません。

そのような時に、もっと気に入ったお得な物件を見つけたらどうしますか?

ほとんどの方は、今から変更することもできないと思い、あの時もう少し待っていればと後悔しながらも契約した賃貸物件にそのまま住むと思います。

では、最初の物件をキャンセルして、後から見つけた物件に住むことはできないのでしょうか。

今回は契約した賃貸物件のキャンセルについて、契約手続きの手順を追って説明します。

賃貸物件、契約の手順とポイント

不動産業者の宅地建物取引士が、対象物件の契約に関する重要な事項について借主に説明し書面を交付する「重要事項説明」というものがあります。

これは、契約締結前に行うべきと法律で定められています。
審査が終了した時点で行うケースもあります。

しかし借主は不動産業者に出向く必要があるため、ほとんどが契約書の締結前に行われます。

借主は、申込書を提出する段階で不明な点がなくなるようにしましょう

そして賃貸条件や契約時費用の明細については、契約精算書が募集条件と相違していないか慎重にチェックする必要があります。

貸主の場合、契約金の入金と必要な書類がすべて提出されたのを確認してから、鍵を引き渡すことが重要です。

もし契約金が期限までに振り込まれていない場合、契約は不成立として申し込みを取り消し、新たに賃借人を募集しなければなりません。

しかし借主の審査を通している以上、業者を含めて貸主は無事に契約を締結したいというのが本音です。
そこで実際には2~3日の支払い期日の猶予を与える場合が多いです。

契約が成立するのはどのタイミングか

契約手続きが進む中、どの時点で契約が成立したことになるのでしょうか。

一般的には不動産取引のトラブルを回避するため、契約書を締結した時点で双方が合意したとして契約成立となります

しかし法的には、たとえ口頭でも双方の合意があれば契約は成立したことになります。

そのことから、契約精算書を受領し契約金の支払いを済ませ、契約書締結の準備を進めている時点で契約が成立しているとみなされる可能性はあります。

また重要事項説明を受け、内容を了承して署名・捺印した場合は、契約の意思があるとみなされ、より契約成立の度合いは高くなるといえます。

申し込み後のキャンセルはどうなるのか?

申し込み書の提出は、その物件を借りたいという意思表示をすることです。
これにより契約に向けての手続きが進められていきます。

申し込みに対して貸主側はまだ了承していませんから、この時点では口頭での契約合意もありません。
そのためペナルティの心配もなくキャンセルが可能です。

では、審査の前に申込金を支払っていた場合はどうでしょうか。

審査は保証会社や貸主の手間や費用をかけて行われます。
そのため、冷やかしや複数の物件への同時申し込みがないように申込金が請求されます。

申込金はあくまでも預かり金の扱いですから、たとえ支払った後にキャンセルをしても返還されます

これは平成8年4月に宅建業者が預り金の返還を拒めない旨の建設省令が施行されているからです。

しかし確実に返還してもらうには、申込金を支払った際に支払いを証明するものとして「預かり証」を受領しておくことがポイントです。

また、部屋を確実に抑えるために「手付金」を支払うように要求される場合もあります。

手付金とは申込金と違い仮契約をして支払うものですから、借主からキャンセルをした場合は法律の定めによりこれを放棄しなければなりません。

しかし、多くのトラブルが発生したため、東京都都市整備局では不動産会社は特別のケースを除いて高額な手付金を取らないよう指導しています。

契約金支払い後のキャンセルはできるのか?

では、契約金を支払った後はどうでしょうか。

この場合でもキャンセルは可能です。

先述しましたが、重要事項説明を先に受けて、内容を了承し署名捺印した場合は、契約が成立していると解釈される場合があります。

しかし、重要事項説明は契約日に行うことが多いため、契約金を入金した後でもキャンセルできるのです。

基本的には支払ったお金はすべて返還されます

ただし、不動産業者や貸主が契約に向けての準備で使用した部分については精算される場合もあります。
その際は内容をよく確認して対応しましょう。

契約締結後のキャンセルはできるのか?

契約金を支払い、重要事項説明を受けて契約書に署名・捺印した場合は、契約が完全に成立しているのでキャンセルはできません。

賃貸借契約は、解約できる旨や方法を告げられている場合を除いてクーリングオフが適用されません
そのためキャンセルではなく契約を解除することになります。

通常の賃貸解約手続きは、ほとんどが1か月前に行わなければなりません。
そのため、契約解除の申し出から1か月間の賃料の支払いが必要になります。

さらに、貸主あるいは不動産業者にとっては契約締結時の収入であるため、礼金や仲介手数料は返還されないケースが多いです。

個々の契約や各業務の履行状況を判断されて、保証料や鍵交換費用、火災保険料についても返還されない場合があります。

ただし敷金に関しては、入居していなければ退去時清掃や修繕の必要がないので全額が返還されます。

このように契約締結後の解除は、借主にとっては大きな損失になります。

しかし、借主の都合でしばらく空室にしてしまうわけですから、貸主や不動産業者に対して損失補てんをするのは当然といえます。

まとめ

契約を締結した場合を除いて、キャンセルすることは可能です。

しかもほとんどのケースでペナルティはありません。

部屋を借りるときには比較検討するポイントがとても多いため、不動産業者のオススメに押されて的確な判断ができずに契約が進んでしまうこともあるでしょう。

だからといって安易にキャンセルをすることは避けるべきです。

借主の都合で、不動産業者や貸主は新たな借主を探さなければならないということを考えましょう。

契約の重大さを認識しておかなければなりません。

不動産業者は契約してもらうことが商売なので、どんどん話を進めていきます。

借主としては焦ることなく、この物件を契約しても後悔しないという時点で初めて申し込み書を提出することが重要です。

少しでも迷いがあるうちは安易に決めないことです。

そのため、たくさんの物件の情報を集めてしっかりと比較検討し、自分の目で見て判断して物件を選定していきましょう。

一つの候補物件を仮に逃したとしても、他の良い物件との出会いが必ずあるはずです。

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yoshi

不動産賃貸事業の営業などに9年間従事し、大手不動産管理会社の経営企画部門で15年間にわたり事業企画などの業務を歴任。複数の不動産管理会社のM&Aを経験し、被買収会社の常勤取締役として事業の再構築を5年間担当。現在大手不動産管理会社の役員として経営企画部門を担当。保有資格:宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、管理業務主任者

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